トルコ風呂入湯記inイスタンブール|温泉のすゝめ27

イスタンブールに観光旅行で行ってきたんですが、観光中に街中でこんな看板を見かけました。

「伝統的なトルコ風呂」。なるほど、トルコ風呂ってイスタンブールにあるのか、と当たり前のことにようやく気づき、どこに行くか検索。
行ったのは一軒だけですが、他のスパと比較しても価格とクオリティーのバランスは良かったと思うので、比較過程から書きますので参考にしていただければと思います。
2018/9/21

そもそもトルコ風呂とは

日本では、「トルコ風呂」といえば在りし日のソ◯プの俗称。Wikipediaにもこんなワンクッションが。

ただトルコ風呂(ハマーム)は伝統的な入浴施設であり、現地のハマームに性的な要素は全くありません。
何がどう伝統的かと言えば、ハマームは元々オスマン帝国時代にローマの入浴文化を吸収して確立されたものとのこと(世界史に疎いのでいまいちピンとは来ませんが、wikipedia)。
施設の概要についてはこの後の入湯記の方に詳しく書きますので、そちらをご覧ください。

イスタンブールのトルコ風呂を比較

イスタンブール市街に沢山存在しているトルコ風呂(ハマーム/Hamami)。
今回は”Cemberlitas Hamami”というハマームに行ってきたんですが、このハマームに行くことに決めた過程をご紹介。

“Hamami”とGoogle Map調べると、こんなに沢山のハマームが。

Google Mapで付いているユーザー評価はある程度信用できるので、★の数と評価数をチェック。
もちろん目に付いたのは下画像のような、レビュー数500近く★4.5以上のハマームですが、サイトを見てみると、どちらも最低料金€80(約1万円)+予約必須といった体裁。


もちろんサービスはそれだけ宜しいんでしょうが、そこまでのお金を払う余裕は無いし予約するのも面倒、という事で妥協。

★は4.0を切っているもののレビュー数が500を超えている”Cemberlitas Hamami”は予約も不要で値段もそこそこ、立地も良かったのでここに決めました。

トルコ風呂入湯記

実際に入浴した”Cemberlitas Hamami”での入湯記を。(「入浴記」ってしっくりこないので「入湯記」とします)

訪問したのは13:00少し前、2018年9月23日の日曜日。宿から歩いて10分ほどだったので徒歩にて到着。

中に入ると簡単な注意書きが。
質問だけして帰る人も多いんでしょう。簡単なQ&A。

重要そうな情報は、①入浴に使う物は一切必要ないよ②予約は要らないよ③夕方は混雑するよ ぐらいでしょうか。

中に入るとすぐ左手に受付が。英語はあまり堪能でなさそうなおば様3人組がおり、少し待たされる。
その間にメニューに目を。基本は3メニュー。

一番上(€20(ユーロでの支払いも可能))は一切サービス無し。勝手に体を洗い、勝手にサウナに入り、勝手に部屋で休憩し、帰るだけ。

上から二つ目(€32)が受付のお姉さん曰く「クラシック」なもの。サウナ入浴・部屋での休憩は好きなだけ出来て、それにアカスリと泡洗体(この語感がどうしても風俗を連想させ…)がプラス。もちろん男性は男性、女性は女性が対応。
女性の洗体師(?)は人手不足気味なのか、開店時間も男女で少し異なっていました。

上から三つ目(€51)は二つ目のものにプラスで30分のオイルマッサージ。アカスリもあるしマッサージは別に良いかなぁ、とこちらは注文せず。

追加オプションもありました。

結局上から二つ目の「クラシック」を240TLで注文。当時レートで4500円ぐらいでしょうか。

注文したコースの券(プラスチックの板)とアカスリ用手袋を受け取ると、右奥にある階段を上るように言われます。
お姉さんが英語で詳しく流れを説明してくれましたが、階段さえ上がればあとは上の階にいるおじさんがどうにかしてくれます。

施設の入口から見て右奥にある階段を上り2階へ(女性は受付から真っ直ぐ後ろに歩いて行っていました。男性は裸にタオルで公共スペースをうろつかねばですが、女性のプライバシーはしっかり守られていたように思います。女性エリアにはもちろん入っていないので詳しくは分かりませんが)。

2階へと上がるとおじさん(英語出来ない)に導かれるままに個室に入れられ、「荷物を置き、着替えて(タオルを巻いて)、下に行け」との指示を受けます。

2階はこんな感じ。

個室はとても簡素。


ガラス窓で外から丸見えですが、鍵もしっかり掛かるので貴重品を取られる心配はまず無いかと(外から見えはするので、財布を放っぽり出したりして置くのはさすがに宜しくないかとは思いますが)。

スーツケースも余裕で置けるサイズの部屋なので、帰国前の空いた時間に行くのも選択としては有りだなと思いました。

服を全て脱ぎタオルを巻いて、券とアカスリ手袋を持って部屋の外へ。

部屋を出るとおじさんが近付いてきて、「鍵は閉めたか?」と確認され、上ってきたのとは別の階段を指差されそちらから1階へ。

1階に降りるや否や番号タグを付けたおじさん(英語出来ない)が近付いて来て、注文したコースの確認。

先導されるがままに扉の中へ。(扉の写真は帰る前に撮らせてもらいました)

初めはそこまで熱くないカラッとしたスペース。
おじさんに「この奥に入って適当に過ごしといて」的な指示を受け、更に奥の浴場(サウナ)へ。

浴場の中に入ると、まるでタイムスリップしたような感覚。
温められた大理石づくりのような円形台があり、その縁に寝転がりアカスリやら洗体やらを受ける白人に黒人にアジア人。
見上げれば光の差し込むドーム状の天井。(写真は公式サイトから借用)

見よう見まねで寝転がりましたが、寝転がる台もほの熱いうえに室内も暑い(温度計は85℃でした)。

このままでは死ぬ、と思い一旦外に出ておじさんに水を貰えるか尋ねる。
500mlのペットボトルを購入でき、料金(1.5TL)は後で払ってね、と。

ペットボトルを持ち込んでサウナに再び寝転がること5分ほど。
入り口で声を掛けられたおじさんがやって来て、頭置き(小さな金だらいをひっくり返したような)を指差し「ここに寝る、はい!」といった感じで指示をされる。

寝転がりアカスリ手袋を渡すとアカスリ開始。
初めは仰向け次はうつ伏せ。

強い痛みを感じるような事はなく、気持ち良い。

台の縁に座らされ腕もアカスリ。片腕が終わると逆の手を使って落ちた垢を触らせ、「ほら、めっちゃ垢落ちてるだろ」とでも言いたげなドヤ顔のおじさん。

続いて泡洗体。
寝転がされていると、どこから現れたか分からないボウルの中に大量の泡が。
それを全身に塗りたくられ、「洗われている」というよりは、指を滑らせつつ指圧マッサージを受けてる感じ。
うめき声が出てしまうような痛さで、これも仰向けとうつ伏せを。

終了後に、台に寝転がっていたおじさん(白人)と目が合い、「痛そうだったねぇ」というような目くばせをされる。

そして休む間も無く外へ。
ただでさえ熱いサウナの中に長時間滞在し、その上にめちゃくちゃ痛いマッサージ(洗体)を受けたのでかなり高めの血圧と脈拍数。

外に出るとお湯の出る蛇口の横に座らされ、寝転がっては出来なかった洗顔と洗髪。アカスリ手袋を付けたまま、結構ゴシゴシやられます。

それが終わると、アカスリ&洗体の全工程が終了。

「好きなだけサウナに入って、シャワーを浴びて、タオルを替えて出てきてね。
あと、チップもよろしく(親指と人差し・中指をこすり合せる)」とボディーランゲージで伝えられ、おじさんは外へ。

僕はサウナに戻りましたが、血圧と脈拍数がとにかく異常なので5分もせずに洗顔洗髪を受けた涼しめのスペースに戻って一旦休憩。
それでも落ち着かず、サウナで再びのんびりする事は叶わずにシャワーを浴びて外へ。

朦朧とする意識の中階段を上り休憩室へ。
ベッドに倒れこむも、一向に落ち着かない呼吸と脈拍。

15分ほどしてようやく眠りに落ち、iPhoneでアラームを掛けていたので約30分後に起床。

少し休み一階へと下りると、おじさんにジュースを勧められました。
まあ水飲んだし要らないかな〜と思い断りましたが、それほど値段もしなかったので結局注文。


生搾りの100%ジュース。

風呂上がりの飲み物って何を飲んでも美味しいですが、これほど美味しく感じたのは初めての気がします。

ぼーっとジュースを飲みつつ10分ほど休憩し、外へと出ました。

これにて入湯記終了。

おわりに

なかなか日本では出来なそうな体験で、とても楽しかったです。
かなり体力を消耗した上に若干の辛さもありましたが、せっかくトルコを訪れたならば体験するべきアクティビティの一つだなと感じました。

サウナの入口に「心臓病保持者や高血圧の方はご遠慮を」というような注意書きがあったので、個人差はあるかと思いますが、僕の経験上健常な方でも入浴後に休憩する時間に余裕を見て訪問すると良いかなとは思います。

では、最後までご覧頂きありがとうございました。
イスタンブールでのハマーム探しの一助になれば幸いです。

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