いわゆる砂蒸し温泉には、過去何度か入ったことがある。
別府は竹瓦温泉と、指宿は砂蒸し会館の二ヶ所。
①海が近く②浅い地層が熱を持っており③湯も沸いてなければならない という条件を満たす土地はそう多く無く、全国を見渡してもそれほど数のない形態の湯である。
2014年に砂蒸し会館を訪れて以来、指宿への愛着はなかなかに強い。
ふるさと納税をしに探すのは、まず指宿。
砂蒸しの没入感を愛しはしているものの、訪問の希少さから、どうしても砂蒸し会館を繰り返し訪れてばかりであった。
東京に暮らしながら6年で3度の入湯は我ながらなかなかの偏愛ではなかろうか。
しかしこの度は、砂蒸し会館とは別の、山川の砂蒸しを味わってみようではないかと。
中韓からの訪日客頼みだったこともあり、客足は平時の1/5ほどとのことであった。
人の極端に少ない中で適正なコトを書けるやら随分とあやしいが、つらつらと書いてみる。
深みのある砂蒸し体験
“深み”という言葉に、人はどうしても頼りたくなってしまうものである。
何でもかでも、「深いですねえ」と一言加えておけばモノを分かったかのように振る舞った気になれるのが「深み」の一番の功罪であろう。
所属ゼミの笹原老師は、口ずっぱく”深み”に逃げてはならぬと学生に忠告しておられた。
そう言われても、(相対的に)深みのある体験をしたな、というのが感想。
ここでは”深み”のタネを見つける旅に出ることにする。
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