6日間の滞在でロサンゼルスが嫌いになった。

このたびロサンゼルスに5泊しました。所詮は6日間の観光旅行滞在ではありましたが、ロサンゼルスの街を回っているとファンタジーと現実世界の間で何かが忘れ去られているような感覚に陥り、日本で礼賛されているのと同じくして「L.A.最高!」などと言える気分には到底なりませんでした。

主張するのは2点

・観光地とダウンタウンの生活格差的ギャップ

・観光都市とは到底言えない劣悪な都市構造(車社会)

について。

一点目はロサンゼルスに嫌悪を覚えた原因、二点目は単純に観光客にフレンドリーじゃない街だなーと、旅行者目線の嘆きです。

観光地とダウンタウンの生活格差的ギャップ

ロサンゼルスの観光地と言えば、ハリウッド、ディズニー、ビバリーヒルズ、サンタモニカ等々、どこもヨーロッパのように街並み云々でなく、リゾートであったりテーマパークであったりといった、創られた「夢の国」的観光要素が強い場所。

観光客の多くはこれらの街、観光地を目指してロサンゼルスを訪れ、観光するには不便な公共交通は使わず、レンタカーやUberでそれらの目的地を文字通り点々と移動するだけ。

ロサンゼルスが夢の国であるのはその「点たち」だけであって、点を結ぶ線上にある市民の日常や、線からも外れたホームレスの存在は頭の片隅にも置かれていないように僕の目には映りました。

到着日の午後に2時間ほど散策したダウンタウン。

そこに、ハリウッドやサンタモニカに見られるような「観光客」の姿は殆どありませんでした。

その街(ここで言うロサンゼルス)の中心的市街部をダウンタウンと呼ぶわけですが、その現状は目も当てられない。

至る所で感じるアンモニア臭、一区画に1人以上は居るホームレス、枯れ果てた空きビル。

観光旅行は娯楽であり、そこに夢を見るのも求めるのも当然ではあります。

ただ、その「夢」の陰にどれだけの人々が隠れているのか、その忘れ去られ方が尋常では無い、というのが6日間のロサンゼルス滞在で感じたことです。

何も、「ホームレスを助けろ、ロスに行くならば彼らにも目を向けろ」という話ではありません。

ただ、彼らの存在がまるで「無き者」になっている空気感に堪え難さを感じたのです。

ニューヨークやシカゴと言った都市は都市部(ダウンタウン)に観光地が集中していて、ホームレスもその中に生活しています。

その一方でロサンゼルスの観光地からは彼らの姿がまるで排除され、区画整理が成されているかのような状態に思えました。

この現状に辟易すると共に、ロサンゼルスに「夢」を見、歓喜する人々の姿に憂いを覚えたのです。

観光都市とは到底言えない劣悪な都市構造

これは、言ってしまえば旅行者としてのただの嘆き。

公共交通機関(地下鉄・バス)がそもそも整備されていない東南アジアを除いて、これまで訪れた50近い都市の大半は観光する為の足は公共交通機関で事足りていました。

しかしロサンゼルスは観光客向けの公共交通機関の整備があまりにも劣悪。

辛うじて公共機関(Metro)の乗り放題切符は用意されているものの、市街地から観光地を訪ねるには、20分に一本の選択肢、その上1時間以上の所要時間、といったものがザラ。

Uberを使えばいい話ではあるんですが、貧乏旅には難しい話。

結局一点目の主張も鑑みれば、ロサンゼルスの位置付けは、「小金持ちが「夢」だけを見る街」というのが適当なんだろうと思います。

アメリカの生活環境を知ることが出来て、考えさせられるものがあって、という意味ではロサンゼルス訪問は有益でしたが、学生が身銭を切って訪れるには少し無理があったかなと感じました。

やんやん書きましたが、ともかくも、陰が切り捨てられ忘れ去られているような「観光都市」は到底好きにはなれません。というのが、結論です。

「6日間の滞在でロサンゼルスが嫌いになった。」への1件のフィードバック

  1. 記事を拝見させていただき共感しました。
    私は今大学生で一人旅でダウンタウンに滞在しており、明日帰国する予定です。
    ホームレスのしょんべんの臭い、ワキガらしき酸味のある臭い、ハリウッドでの観光客を狙ったCDの押し売りやコスプレをして写真代を求めたり、初めての海外旅行でしたがあまりいい気分にはなりませんでした。
    もちろん、女性が底無しに綺麗とかスーパーなどでHow are you?とかHave a good day!とか言ってくれるのは嬉しかったしUSHとかかなり良かったりしましたがやはり負の側面にめがつきもう一度行きたいとは思いませんでした。同じように考えられる方がいてついコメントしてしまいました。

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