鬱陶しいやら親切なのやら、のモロッコ人たち

2ヶ月間の地球一周旅も気づけば3週間が経過。とはいえ訪問したのは未だ4か国で、世界を旅してる感が乏しいところ。
アメリカ大陸に次いで訪れたモロッコで、ほんの4泊5日の滞在ではありましたが感じたことを備忘録的にまとめてみようと思います。

親切でフレンドリーなモロッコ人

一番強く感じたのは、モロッコ人に親切でフレンドリーな人が多いなということ。
もちろん訪れたのは観光都市で、それが、親切だ、フレンドリーだ、と感じた一因であることは言うまでもありません。

ただ、客観的に見てもフレンドリーな人は多そうな。

マラケシュの旧市街を歩いていると、嫌というほど道端にいる人たちに声を掛けられます。無視すれば必要以上には追いかけて来ませんが、時折日本語で声をかけられると、どうしても反応してしまう自分が。
ネットを見ると「(日本語で)親しげに声を掛けてくる人たちは信用してはダメだ」というような記述もありましたが、感覚としてはただの親切な人が8割というのが実際の印象。

例えば散策中に話しかけて来たお爺さん。まずそもそもヨボヨボで、歩いて逃げても追いつかれなそうな風貌。どこから来たの〜?から始まり、5分ほど雑談。「この角を曲がったところのモスクがすごーーく綺麗だから、ぜひね、行ってみて欲しい」とだけ言われてお別れ。

建物を撮っていたら警察が写り込んでいることに気付かず、「ちょっとこっち来い」と呼ばれて話をした警察官のお兄さん。やはり「どこから来たの」から話は始まり、「建物は幾らでも撮って良いけど、警察官とか軍人はダメだから気をつけなよ。時間使わせてしまって悪かったね。」で、”Nice to meet you”と握手をしてお別れ。

宿から徒歩15秒のところにあるクッションカバー屋さんのお兄さん。「100DHで良いものがあるんだよ!」という姿勢は崩さず売り込みをしたそうな様子ではありましたが、「これがベルベル人の衣装なんだよ」とターバンを巻いてくれたり、道案内詐欺に店の近くで遭いそうだった時には「僕は仕事があって君と同じように旅行をしたりもするけれど、必ずしも皆んながそうでは無いんだ。だから用心しなきゃダメだよ」と優しく諭してくれたり。

とこんな感じで、どうしてもネットには極端な情報が出回るので悪い面ばかりがフォーカスされがちですが、出会ったほとんどの人は優しく親切な人でした。

スマホで地図を見ながら歩いていると急に青年3人組(恐らく下校中の学生)に声を掛けられ「どこ行くの?大丈夫?」と尋ねてくれたり、「バイクが多いから気をつけなね」と注意してくれてそのまま去って行ったおじさんがいたり。

ただ何が問題かと言うと、2割存在する悪い奴らと彼ら良い人の見分けが簡単につかない所。長く滞在すれば感覚的にわかってくるんでしょうが、数日ではどうにもなりません。

観光客を騙そうとするモロッコ人

モロッコ人の(感覚的に)8割は良い人、親切な人だと書きましたが、観光客を騙そうとしてくる人々がいるのも事実。

今回出会ったのは3パターン。
・観光客がモロッコの物価に慣れていない所に漬け込む人
・市街地のルール、道に親しんでいないことを利用して金を巻き上げようとする人
・「観光案内」と称して法外な金額を取ろうとする人

①観光客がモロッコの物価に慣れていない所に漬け込む人
モロッコの物価は、全体として先進諸国よりは圧倒的に安いです。そのため、観光客としてはそれほど苦では無い額も、現地の人々からすれば非常に大きな収入になり得る。
そのため、タクシーや街中での大道芸など、観光客が払えはするけれど相場よりは高い値段を提示して来る人々が多くいます。また、スーク(市場)の人々も例外ではありません。

例えばタクシー。住人では無いので詳しくはありませんが、現地人のタクシー初乗りは10DH(約100円)以下とのこと。しかし観光客が「〇〇まで行きたい!」と言うと、メーターを使ってもらえることはまず無く基本は言い値。マラケシュでは旧市街地から駅までタクシーを利用しましたが、提示されたのは50DH(500円)やら30DH(300円)やら。距離にして2kmほどなので明らかに現地人からすれば高過ぎる価格。
かと言って観光客からすれば100円200円にケチを付けるのは馬鹿らしいので、ある程度納得できる値段になったら乗るしかないのです。

買い物や食事も同じ。レストランはメニューがあるのでぼったくられることは少ないかと思いますが、お土産店などは言い値の場所も多いので結果的に同じような構図になります。

②市街地の道、ルールに親しんでいないことを利用して金を巻き上げようとする人
僕が出会ったのは、「その道はムスリム専用で観光客は行っちゃダメだ!」と声を掛けてきて、何度も通った道なので無視すると「ヘイ!ヘイ!」と声を張り上げて来る人。「すぐそこのレストランに行くだけで、この道は何度も通ってる」と伝えても、「それでも駄目なもんは駄目だ、俺が連れてってやる」と。その上、真逆の方向を指して「フナ広場はこっちだ!」とも言って来る。
マラケシュの旧市街は道が複雑なので、ムスリムがどうこうと言われると心配になる観光客も多いのでしょう。
表情も硬く、間違いなく詐欺だと確信出来たのでその後は完全に無視。いま思い出しても腹立たしい態度の奴でした。

③「観光案内」と称して法外な金額を取ろうとする人
旧市街を歩いていたら現れたおじさん。「道案内」とは言わず、「今日が最後の市場があるんだ!写真スポットだよ!」と声を掛けてきて、「僕はここに行きたいんだ」と地図で示しても「10分で行けるからさ」としつこい。
この時点で道案内と称して金をせびられるだろうとは感づきましたが、それはそれで適当に逃げよう、と心に決めついていってみることに。
途中10分以上経っても辿り着かないので別の道に行こうとすると、「ヘイヘイヘイヘイ!」とやはりしつこい。20分近く歩かされた上に「今度はフナ広場に行こう!」とか意味の分からないことを言い出したので、「良い加減にしろ」と少し怒りを見せると「分かった分かった」と言って口頭で元の目的地への道順を伝えた上で「金よこせ」と。
100DH(1000円)だ、と言われましたが100DHに見合うような扱いを受けた気はさらさらしなかったので40DHを払って強引に別れました。
金額で揉めていると、原チャに乗った全く関係ないおじさんが止まって「ちゃんとお金を払いなさい!」みたいな事をフランス語で説教垂れ始めたんですが、あれは何だったのか、未だに不明。
そういう「道案内」と観光客が揉めるのはよくある事で「貧しい人にはお金をあげるのが当然だ」という考えの人が声を掛けてきたのか、どうなのやら。

自国への自信が凄いモロッコ人

モロッコを観光して感じたのは、モロッコ人の自国への自信の大きさ。モロッコ人に「今日は〇〇へ行ってきたよ」と伝えると、その返答は100%「〇〇は気に入った?」でした。”Do you like it?”と。

カサブランカでハッサムⅡ世モスクのツアーに参加した時は、解散前に、ガイドのおばさんは開口一番”Do you like here?”。返答が小さいかったので、3回ほど同じフレーズを聞き返してました。確かに良かったけど、どんだけ自信あるんだこの人は、と。

カサブランカのホテルにチェックインする際「明日モロッコを発つんだ」と伝えると、入国日を確認した上で「もう行っちゃうの?モロッコを本当に見て回れた?」と声を掛けられました。自国への愛着がないとなかなかこうは言えないなと感じた次第です。

さいごに

色々と書いてまいりましたが、あくまで5日間モロッコに滞在しただけの観光客とモロッコ人の具体的なやりとりと、それに対する邪推を記したものでしかありません。
「必ずモロッコ人はこういう性格だ!」とかそういう話では無いですし、深い考察が出来ているわけでないことは承知しております。ネットに溢れている「モロッコ人はウザい」みたいな記事には親切なモロッコ人に関する記述が全く無いので酷いなあとは思うので、そういう一方的なものよりは客観的な意見が書けたかなとは思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です