鹿児島マグマ温泉入口

褐色の湯が張られた公衆浴場|マグマ温泉(鹿児島)|温泉のすゝめ60

マグマ温泉と聞くと、どんな風景を思い浮かべるだろうか。
火の海、煮えたぎる湯、鬼に金棒。。

結論をいえば、なんてことのない、小ぎれいな、地方によくある共同温浴施設である。

桜島の港から歩いて5分。
なんてことの無い建物、なんてことのない券売機、なんてことのない脱衣所、なんてことのない浴場。
驚いたのは、掛け湯槽に水が張ってあったことぐらいであろうか。

わさわさとした浴場内、進むと広々とした浴槽が二つ。

一つは湯が赤茶に褐色しており、火の海といわないまでも、何か未知の空間に身体を吸い込まれていくような、不思議な感覚に身をゆだねることになる。
湯は、とにかく錆び臭い。どストレートのサビの臭いである。
だがこのにおいが、自分の身が桜島の地にあることを感じさせてくれる。

サウナに入っていると酔っぱらいのおじいさんに声を掛けられた。
「あんたここのもんじゃないな?」が第一声だったので締め上げられる覚悟さえもしたものだが、そこはただの酔っぱらい。
酔っぱらいでサウナに水風呂にとこの爺さんは死にゃあしないかと心配にもなったが、ともかくも鹿児島には、物腰やわらかで親しみのある人が多いものだととつくづく感じさせられた。

入湯録というよりも人との交わりの印象が強く残ったひと時であったが、こういう温泉も時にはよいものである。

桜島マグマ温泉 | 国民宿舎 レインボー桜島<公式ホームページ>

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