泣いて馬謖を斬る ~乃木坂46と古典~ (「○○と古典」シリーズ①)

古典の考え方を現代の事例に引き寄せる作業は脳みそに効きそうだ!と思いついたので、「○○と古典」シリーズの第一回。
シリーズ化の見込みは薄いですが、自分への願望も込めてシリーズ①とします。

『泣いて馬謖を斬る』の概要

『泣いて馬謖を斬る』。
中国の古典に出てくるお話で、原典ではなく孫子関係の書籍をあさっていたときに私は目にしたように記憶しています。
その意味するところは、

私情を捨てて法を守り、綱紀を粛正するために親しく愛する者を処断すること。

コトバンク 『泣いて馬謖を斬る』

であり、愛する部下である馬謖(ばしょく)のことを、賞罰を正しく行うため泣く泣く諸葛孔明(しょかつこうめい)が処罰した、というお話。
「情に流されず罰を与えることが必要である」という部分に焦点を置かれがちですが、
この故事で重要なのは、「軍全体の規律を守り士気を保つために私情を挟まない公正な賞罰を行う必要がある」ということです。
翻って考えれば、私情を挟むことのない公正な賞罰によって、軍の規律を強め、士気を高めることもできるとも言えます。

星野みなみ熱愛報道

『泣いて馬謖を斬る』必要があるな、と思わされたのは先日の星野みなみ熱愛報道。
初期メンバーで、乃木坂46に籍を置くことかれこれ10年。
ファンからもメンバーからも愛される、疑うべくもない乃木坂46の中軸メンバーです。

SNSを見ると、賛否両論が飛び交っています。
「恋愛=卒業」の過激論者から、「文春に撮られてるみなみちゃんも可愛い♥」な正気を失ってしまったオタクまで。

それならば、何を判断基準に処罰を考えるべきか?
昨今のアイドルグループには、恋愛禁止の不文律はあれど成文法は存在しません。
その場その場でベストの対応を”大人”たちが考えるわけですが、ここは「泣いて馬謖を斬る」べき場面なのではないかと考えます。

乃木坂46と”泣いて馬謖を斬る”

グループ活動10周年を迎え、移行期真っただ中の乃木坂46。
安定した土台が少しずつ剥がれ落ち、そこに新しいピースをどんどんと注入しているような状態です。
このぐらぐらと不安定な状態から安定期へと歩みを進めるにあたって、グループ全体の規律というものは極めて重要な位置を占めます。
苦労した時代を知るメンバーから、「憧れの乃木坂46」に飛び込んだ新メンバーへのバトンタッチ。
「乃木坂を守るんだ」という意気込みは3,4期生から強く感じますが、
10年目にして核となるメンバーが熱愛をすっぱ抜かれるというのは、「じゃあ、その守るべき乃木坂って…?」という、メンバーが目標とするべき軸を大きく揺さぶる大問題であります。

『泣いて馬謖を斬る』ことの本質は「軍全体の規律を守り士気を保つ」ことです。
この問題をどれほど重大な課題と認識するかによりましょうが、
『泣いて馬謖を斬る』だけの価値、必然性のある事柄のように私には思えます。

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