「温泉のすゝめ」カテゴリーアーカイブ

文豪の愛した逗留の地|城崎温泉(兵庫)|温泉のすゝめ66

大むかし、といっても振り返ればほんの6年ほど前だが、サークル活動にも参加しておらず学園祭に用のない私は一人紅葉の京都へと出向いた。
その時お世話になった、ホステルの受付のお兄さんから口に出たのが城崎温泉。それ以来頭の隅を長らく占めていた温泉地であったが、関東の人間にはなかなか訪れる機会の無い、兵庫県も日本海側の温泉地である。

山陰をゆったりと周る用事ができたので、ここぞとばかりに一泊二湯。
海や河に近い土地ではあるものの、温泉街は小川沿いに造られており、山奥の温泉地に来たかのように錯覚する、不思議な温泉街であった。

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世界遺産の温泉地でひといき|湯ノ峰温泉・あづまや(和歌山)|温泉のすゝめ65

我が心の故郷、和歌山県。
何度訪れてもたりない、奥ゆかしき水の国。

太平洋に面する白浜や勝浦は名湯として名高いが、紀伊山脈深くに鎮む龍神、川湯、湯ノ峰といった温泉地がそれらに比肩するかといえば、答えは否になってしまおう。

龍神、川湯には以前足を運んだが、この度は湯ノ峰温泉。世界で唯一の、世界遺産の湯壺を有する温泉地。

宿泊は「あづまや荘」。夏場は登山客で賑わうであろう民宿。湯に入ったのは系列の「あづまや」。

籠と洗面台だけのシンプルな更衣所。サウナは休止中。

湯処に足をすすめると、艶やかな木張りの壁、浴槽が空間を包む。
浴槽は、1人用のあつ湯槽と、大人4,5人が最大キャパシティーの大浴槽。身体が芯までほくほくと暖まるので、湯に浸かっては地べたに座って火照りを冷ますの繰り返し。

湯は、どことなく柔らかい。
目で楽しむ湯ではないが、身体へのあたりと、湯処の空気感で温泉であることを感じられる。

露天湯にも浸かったが、屋内湯が気持ちよかったのでそちらは割愛。

アクセスの都合もありなかなか選択肢には入らない温泉地ではあるが、本宮詣のついでにでも、いつかまた再訪できればと思う。

市街地に湧く橙の「関西最強」炭酸泉|花山温泉・薬師の湯(和歌山)|温泉のすゝめ64

和歌山平野のど真ん中。チェーン店の並ぶ幹線道路からひとつ横道に入ると、「関西最強」の電光掲示板が燦然と輝く。
火山帯でもなく、ましてや市街地と呼べる土地に、それほど良質な湯が本当に湧いているのやらとどこか疑心暗鬼な自分がいる。

しかし、湯を浴むおじさまは、橙(だいだい)褐色に浸かりながらこの笑顔。※楽天トラベルより勝手に拝借

温泉おやじ 花山温泉公式観光PR大使、高橋祐次さん。

和歌山ラーメンを平らげ、宿が近づいていることをナビが示せば示すだけ疑念は深まる。到着するとスーパー銭湯の”はしり”のような雰囲気の建物。民宿の気色ある宿泊施設も兼ね備えている。チェックイン。

湯処に入ると、うむ、やはりスーパー銭湯のような、タイル張りの、ザ・大浴場。しかし歩みをすすめると、あまりの異様さに目を疑う橙色の浴槽が。

湯は橙褐色。「和歌山みかん色」などと軽率なことを言いたくなるほどの濃い橙。
湧出口近くには、珊瑚を思わせる温泉成分の堆積が。「大地を感じる」ことを掲げる温泉施設は数多あるが、湯が大地の底から沸々と湧いているのだということをこれほどに感じさせるものはなかなか無かろう。

豊富な湯量だからこそ出来る源泉掛け流し。
無論、循環設備など入れようものならば維持費が途方もなく掛かるであろうから、この湯量/湯質が同じき場所に兼ね備えられているというのはなんとも妙なことである。

源泉槽は、つめたい。
細胞ひとつひとつがぴーんと背を伸ばすような、そんな感覚。
冷泉の懐深さに抱かれると、加温槽はどうにも物足りないものに思えてしまう。

長湯を意図した加温の少ない小浴槽も整備されてはいるが、源泉を味わい得るとなればやはり源泉に限る。

湯質は、表現するなれば、「バリッとしている」とでも言おうか。
しっとりすべすべを求めるならば、この湯ではない。
しかし湯に身を浸し大地を感じるという意味では、これに勝るものは無いのではないかと言えるほどに力強い湯処であり湯槽であった。

和歌山駅は当然ながら、関西国際からもアクセスがよいのが関東人からすると実に頼もしい。再訪必至の湯である。

7色の湯湧く九州の奥座敷|黒川温泉・やまの湯(熊本)|温泉のすゝめ63

学生の頃から、「行きたい温泉リスト」に堂々と鎮座し続けていた熊本・黒川温泉。
何度調べても学生に手が届く宿は見つからず、アクセスも自力では難しい隔絶の地と、これまで訪問意欲を何度もくじかれてきた。

しかし私も気づけば社会人。
時はコロナ禍、GoToトラベル全盛である。
忍ぶように、感染者数の谷間を縫って訪問した。

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