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都内からの利便性も◎な、掛け流し日帰り温泉施設|百観音温泉|埼玉県|温泉のすゝめ23

No.23 2018年7月9日 評価★★★☆☆3.5/5.0
【温泉名】百観音温泉(埼玉県久喜市)
今回栃木からの帰りに立ち寄った百観音温泉。
なぜ寄ったかと言えば、雑誌『温泉批評』のおすすめ日帰り温泉施設ランキングに載っていたため。
圧倒的に素晴らしい!という事はありませでしたが、泉質も優良なとても良い施設でした。

百観音温泉の雰囲気と設備

ど町中にある百観音温泉。幹線道路までほんの数十メートルのところで、「こんなところに自噴温泉があるわけ無いやろ」と思わせるような町中。
百観音温泉の外観
建物も小奇麗で、施設に入って最初の感想は、温泉に来た!というよりは、スーパー銭湯に来た!といったところ。
時間がなかったので温泉だけ入って1時間ほどで出たので施設の詳しいところまでは観察できませんでした。ので、お風呂場での感想を中心に。
浴場はかなり広く、浴槽は6つに+寝湯。屋内の2つの浴槽は熱めで、屋外は立ち湯、半身湯、ぬる湯(これが一番ノーマル)、炭酸泉の4つの浴槽。飲泉可能な場所は特に無く、打たせ湯などもありませんでした。
サウナはドライサウナが一つ。
百観音温泉の館内図
といった感じで施設設備は比較的標準的で、特筆するとしたら立ち湯があることぐらいかなといった感じでした。

雰囲気はというと、平日の真っ昼間だったこともあり、まるで地元の銭湯のような。笑
5人組ぐらいのおじさんたちがいて、「おっじゃあ僕は先に失礼しますわ」みたいな会話をしてました。それ以外の方もシャンプーセットを持っきていたりして、高速のICも近いものの、「地元の施設」という印象が強かったです。
 

自噴強塩泉と炭酸泉のお風呂

百観音温泉の泉質について。
まずは温泉成分表を。
百観音温泉の温泉成分分析表
百観音温泉の成分分析表
泉質は強塩泉。塩化物泉は海沿いに多いイメージ(あくまでイメージ)なので少し違和感を抱きつつも、それが掛け流しで供給されているんだから素晴らしいです。
温泉は若干褐色していて、温泉の成分なのか、不純物が比較的多く漂っていた印象です。温泉の中を漂っているのがヒトの垢なのか温泉成分なのかの判断はどこの温泉でもなかなかしかねるんですが、半身湯にあった湧出口近くのお湯は透き通っていて凄くキレイだったので、単純に汚れてたんじゃないかなーと少し訝ってはいます。
あとはお湯に泡が立っていて、何だろうなーと思っていたら常連のおじさんが「別に体に悪いもんじゃないけど、気になるなら流したらいいよ!」と言っていたのも、一体あの泡は何だったんだろうと疑問が深まります。笑

お湯に浸かっての泉質の感想としては、単純泉とほとんど変わらず、あまり泉質を肌で直に感じることは出来なかったなというのが正直なところ。ただ塩泉は体に纏わり付いて湯上がりの保温効果を高めるのが主な働きなので、言ってしまえばこの感想は当然のもの。
一方でとても印象的だったのは、炭酸泉!
初めて炭酸泉に入ったんですが、凄く刺激的で楽しかったです。肌に小さな気泡がたくさん付いて、体の内側表面近くが燃えるように温まります。
もちろん燃えてはいないわけですが、血行が良くなっていることをこれほど肌身で実感したのは初めてでした!
 

百観音温泉のアクセス

都内からも好アクセスな百観音温泉!
公共機関を使えば、新宿から約1時間片道842円!グリーン車を使えばより快適です。
東北本線の東鷲宮駅からは徒歩3分なので、風呂上がりもサッと帰れます。
車だと東北自動車道久喜ICから10分。新宿からだと1時間ほどの所要時間です。

 

総合評価

泉質は素晴らしく、温泉にしては設備も充実していました!
ただスーパー銭湯感が強かったのと、「温泉」でなく「スーパー銭湯」だと考えるにしては、サウナの種類が少なかったり湯船のバラエティーが少なかったかなと思います。
【泉質】
★★★★☆ 4.0/5.0
強塩泉の源泉掛け流し。炭酸泉も高品質。
【温泉設備】
★★★☆☆ 3.5/5.0
立ち湯など、何種類も浴槽があった。
【施設の雰囲気】
★★★☆☆ 3.0/5.0
あくまでスーパー銭湯と言った感じ。綺麗で落ち着いてはいる。
【総合評価】
★★★☆☆ 3.5/5.0
本物志向

世界的にも珍しいモール泉を有する優良日帰り温泉施設|正徳寺温泉「初花」|山梨県|温泉のすゝめ22

No.22 2018年5月28日 評価★★★★★ 5.0/5.0
【温泉名】正徳寺温泉「初花」(山梨県山梨市)

今回訪れたのは、山梨県山梨市にある日帰り温泉施設「初花」。
友人に前々から薦められていたのと、温泉雑誌で、日帰り温泉施設ランキングのかなり上位にあったので興味があったのでチョイス。
泉質良し、設備良し、(東京からの)アクセス良しと三拍子揃った素晴らしい温泉でした。

正徳寺温泉「初花」の生い立ち

近年人気が高まっているほったらかし温泉をはじめ、石和温泉などの温泉街も有する山梨県甲府盆地。
ただ他の多くの温泉地と異なるのは、銭湯に温泉が掛け流されていたり、温泉宿が密集することなく点在していたりと、まとまった温泉街があまり無いという事。
この正徳寺温泉「初花」もポツリと一軒だけで佇む日帰り施設。歴史のある温泉街とはまさに対局的で、源泉も平成元年に掘り当てられたもの。
「初花」は元々養鰻業を営んでおり、育てる鰻が病気にもならず健康なのは井戸水のおかげなのでは?と地下を掘ったところ温泉が出たので温泉営業を初めたとのこと。(「初花」の公式サイトより)
そのため「歴史」という面では確かに劣りますが、その分日帰り施設としては非常に洗練されています。

 

稀有な泉質『モール泉』

このような施設の生い立ちであるため、温泉は自然湧出ではありません。
しかし湧出量は非常に多いようで、屋内外にかなり広めの浴槽がありますがどちらも贅沢に源泉かけ流し。
そしてその掛け流されている源泉というのが、『モール泉』です。
しかし、「そもそもモール泉とは何ぞ」というお話で、それほど耳にする機会が無いワードかと思います。
それもそのはず。日本でモール泉の湧く土地として知名度の高い温泉は北海道の十勝川温泉ぐらいと、モール泉は非常に稀有な泉質なのです。
甲府には幾らかモール泉を掛け流している銭湯もあるようで、甲府盆地一帯にモール泉の泉脈が存在しているのかもしれません。(昭和の風情が残る、温泉銭湯の街「山梨・甲府」。編集部の温泉マニアが散策!ーhttps://www.jalan.net/news/article/50714/)

Wikipediaによればモール泉とは「植物起源の有機質を含んだ温泉のこと」を言い、温泉法の中で効能泉とは認められていません。(モール泉 – Wikipediaーhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%B3%89)
モール泉を有する温泉は世界的に見ても数が少なく、効能泉としても認められていないことから知名度も低め。
しかしその泉質はかなり特殊で、初めて入ると度肝を抜かれます。
「初花」の公式サイトにも書かれていますが、その特徴はなんと言ってもヌルヌルな泉質。お湯に浸かると、体の周りに膜を張ったような錯覚に襲われます。
浴槽から出ても体にお湯が纏わりつくような感覚が残り、これほど温泉の保温効果をまじまじと感じられる泉質は他に無いのではないかと思います。

 

優良な充実した温泉設備

そんなモール泉を掛け流しでたっぷり堪能できる「初花」の温泉設備。
入館料は700円。入館してお風呂へと向かうと、飲泉のコーナーがあります。
初花の飲泉
大浴場の湧出口にもコップがありますが、そちらの温泉では飲み心地に若干のザラつきを感じました。一方のこの飲泉用湧出口から出る温泉は、全く癖がなくクリアな飲み心地。それでいて口当たりも良し。なるほど納得の御触書です。
(ポリバケツを持ってきているおばちゃんが居たので、有名無実化している可能性あり)。
初花の飲泉注意書き

脱衣所には、鍵付きロッカー(入館時に貰った鍵を利用)、体重計、洗面台が2台。飲用水はありませんが、水分補給は浴場に常備されているコップで温泉を。
浴場に入ると、かけ湯、掛け流しの浴槽(36℃~38℃ぐらい)、加温浴槽(入っていないので体感温度不明)が。屋内に並んでいる洗い場の蛇口からも温泉が出ます。
屋外には広い岩風呂風の浴槽が一つ、寝湯×2、ジェットバス、水風呂、ミストサウナ、ドライサウナ(凄く熱い)…と、考えつき得る温浴設備は大抵揃っています(滝湯もあり)。
先に書いたように屋内の浴槽の湧出口にはコップも用意されているので、水分補給は温泉で。

掛け流しだったり源泉を飲めたりと「温泉」としてもとても充実していますが、「入浴施設」としてもバラエティに富んでいて、非常に魅力的な入浴設備でした。

 

食事処「初花」

元々は養鰻業が本業の初花。という事で、入浴ついでに美味しいご飯も頂けます。
初花の中にある「食事 味処」では、御膳やうなぎ料理など、温泉をふんだんに利用した料理が楽しめます。
時間がなかったので食事処には入りませんでしたが、温泉水で淹れた珈琲などもありました。
(山梨の日帰り温泉初花のお食事は鰻と自家製有機野菜が評判です。ーhttp://www.hatsuhana.info/menu.html)

 

総合評価

文句なしの最高評価。
飲泉が出来るほどの質の高い源泉が供給されていること、ドライサウナに加えてミストサウナもあったりと設備が充実していること、の2点が特に良かったです。

【泉質】
★★★★★ 5.0/5.0
湧出量が豊富で、源泉掛け流し。泉質も特殊で面白い。
【温泉設備】
★★★★★ 5.0/5.0
バラエティに富んだ充実した設備
【施設の雰囲気】
★★★★☆ 4.0/5.0
地元の方が多く、落ち着いた雰囲気。
【総合評価】
★★★★★ 5.0/5.0
 

冬ごと河原に現れる、巨大混浴天然露天風呂|和歌山県|川湯温泉|温泉のすゝめ15

No.15 2018年2月27日 評価★★★★★★★★☆☆
【温泉名】川湯温泉 仙人風呂(和歌山県田辺市)

川湯温泉 仙人風呂

この度は友人と和歌山旅行へ!!
祖父母が和歌山に住んでいたので昔はよく行ったんですが、海沿いばかりで内陸部はほとんど行ったことがなかったので、初めての白浜・勝浦温泉以外の温泉。

宿泊は龍神温泉だったんですが、2月末日まで解放されている「仙人風呂」へ。
ここ川湯温泉は河原に温泉が湧く珍しい場所なんですが、冬場はショベルカーで本格的に川原を掘り出したこの「仙人風呂」が設置されると。

川湯温泉に着くと、川沿いに大きなプールのような浴槽が。
対岸から見た川湯温泉仙人風呂
通り過ぎて100mほどのところに30台ほど止められる駐車場があります。
川湯温泉仙人風呂の駐車場

仙人風呂の向かいには簡易更衣所。本当に簡易なので、ロッカーはありませんし、着替えるためだけの掘っ立て小屋と言った感じ。
仙人風呂の簡易更衣室の外観
仙人風呂の簡易更衣室の外観
中は男女に分かれています。
仙人風呂の簡易更衣室の内部

洋服や荷物は、持ったまま温泉に向かって目に付くところに置いておくといいと思います。
駐車場と温泉の間でお金を使うタイミングは特に無いので、お財布は車に置いておく方がもしかしたら安心かもしれません。
ただ募金箱が設置されているので、ここに気持ちでもお金を入れると、より気持ちよく過ごせるかなとは感じました。
仙人風呂に設置されている募金箱

当日は、更衣室で着替えたあとは、荷物をすべて持ち、水着にコートを羽織って靴も履き、温泉へ。
河原に降り、橋を渡ります。
仙人風呂へと向かう橋
すると、数百人入れるんではないかというような浴槽が。
仙人風呂と川
仙人風呂の浴槽
入ると、水温は40℃ぐらいの感覚。浴槽の底は苔むした石ころで、その間からぷくぷく温泉が湧いてます。
温泉の水面
場所によって水温が違うんですが、主に温泉が湧いているのは、川下の方。
話したがりのおじいさん達が色々と教えてくれました。方言がキツくて、何を言ってるか分からない部分が多かったですが。笑

宿の夕食の時間がギリギリだったので15分ほどで出ましたが、温度を変えながら1時間ぐらいは入っていられそうな気がしました。

なかなか他では経験できない温泉だと思うので、★8つ!
またのんびり入りに行きたいです!
仙人風呂

☆基本情報☆
所在地: 〒647-1711 和歌山県田辺市本宮町川湯
アクセス:南紀白浜空港から車で1時間15分/JR新宮駅から車で45分
料金:0円
電話:0735-42-0735
URL:http://www.hongu.jp/event/senninburo/
近くの観光スポット:熊野本宮大社 車で10分,アドベンチャーワールド 車で1時間15分,那智の滝 車で1時間
☆温泉成分情報☆
泉質名:不明
湧出量:不明
色→透明 臭い→ほぼ無し(若干川の匂い) 肌触り→特筆なし。底が苔むした砂利。
泉温:体感38〜43℃(地点によって差あり)
pH値:不明
適応症:一般的適応症
浴槽:大露天風呂1つ 簡易更衣室あり、更衣室から徒歩1分

日帰りで、徳川家康も訪れた名湯へ|静岡県|熱海温泉|温泉のすゝめ14

No.14 2018年2月16日 評価★★★★★★☆☆☆☆
【温泉名】熱海温泉 日航亭大湯(静岡県熱海市)

熱海温泉 日航亭大湯(静岡県熱海市)

今回訪れたのは熱海温泉にある日航亭大湯。熱海の温泉には宿泊と日帰り湯の2回来たことがあるんですが、どちらの施設も温泉というよりただの大浴場といった感じで、「熱海はこんなものなのか〜」と思っていました。

今回は友人とどこか温泉に行こうという話になっていたんですが、友人の方からピンポイントでここの温泉に行きたいとの提案が。そんな訳で、せっかく提案があったからには行こう!という事で。

目的は金目鯛の煮付けも一つだったので、食べログで評価の良かった「こばやし」でまずは昼食。
金目鯛の煮付け
熱海駅の近くなので、日航亭からは1kmぐらいの距離。

そのあと車で日航亭へ。駐車場が完備されてますが、「(施設古そうだし)日帰り温泉に駐車場は無いだろ〜」と勝手に決めつけ近くのコインパーキングに入れちゃいました。
パーキングから温泉に向かう途中には間欠泉が。4分ごとに3分間吹き出すそうです(人工)。
熱海の間欠泉
大湯に関する説明。
熱海温泉大湯について

古びた雰囲気の日航亭の入り口。
日航亭大湯の外観

下駄箱は有料のものもありましたがタダの方へ。入浴料を払うと、温泉は男女入れ替え制との事で、外に出て直進するようにと案内が。
奥へと進むと、掘っ建て小屋のような雰囲気の脱衣所が。浴場への入り口は2つあり、屋内の浴槽と露天。洗い場は屋内に6、野外が2ぐらいだったかと。

屋内の方から先に入りましたが、源泉掛け流し。熱い。感覚的には45,6度。
早くも露天へ移動しましたが、こちらも熱めで43℃ぐらいかなといった肌感覚。湯量だけで温度を調整しているとの事で、そりゃ熱くなるわと。源泉90℃越えですからね。
日航亭大湯の源泉温度
恐らくですが、掛け流しは両浴槽でしつつ、屋内槽の湯を露天の浴槽へ流しているようでした。とは言え屋内槽にどっぷり浸かれる人は殆どいないと思うので、湯は極めて綺麗。

その後は屋内槽にも1分ほど浸かり、退散しました。
休憩所もありましたが、なんだか空気がボワっとしていて、酒盛りしているおじ様がいたりで騒がしかったのでそれほど長居はせず。

お湯の質といい雰囲気といい、とても満足でした。ただ、平日でも休憩室はゴミゴミしていたので、休日に行くのは少し憚られるな〜と感じました。
あとは、源泉掛け流しは素晴らしいんですがいかんせん熱かったので、★6つ!泉質にそこまでの魅力を感じなかったのも理由の一つです。

☆基本情報☆
所在地: 〒413-0018 静岡県熱海市上宿町5-26
アクセス:都内から車で2時間ほど/JR来宮駅から徒歩5分
料金:1000円
電話:0557-83-6021
近くの観光スポット:熱海城 車で5分,伊豆スカイライン熱海峠 車で15分
☆温泉成分情報☆
泉質名:ナトリウム・カルシウムー塩化物泉(等張性・弱アルカリ性・高音泉)
湧出量:不明
色→透明 臭い→温泉の匂い(?) 肌触り→やや柔らか
泉温:源泉94.5℃ 体感42℃~46℃
pH値:8.07
適応症:一般的適応症、きりきず、末梢循環障害、冷え症、うつ状態、皮膚乾燥症
浴槽:2ヶ所男女入れ替え制 内湯2,露天2
その他: 家族風呂(40分無料予約不可) 内湯
~温泉成分分析表~
日航亭大湯の温泉成分分析表