松本市街ほど近くの隠れた名泉|美ヶ原温泉|長野県|温泉のすゝめ44

No.44 2018年12月20日 評価★★★☆☆ (また行きたい)
【温泉名】美ヶ原温泉 『追分屋旅館』(長野県松本市)

前日山梨・石和温泉に宿泊し、この日は長野へ。

なぜ長野へ出向いたかといえば、映画『あの頃君を追いかけた』の聖地巡礼。
↓こんな感じに。


この2日間を共にした友人とは色々な場所へ聖地巡礼に赴いているんですが、今回は齋藤飛鳥さん主演映画のロケ地に。

パンフレットを買ったら幾つかロケ地の紹介がされていたんですが、主人公の実家として使われたのがこの『追分屋旅館』だったようで日帰りにて入浴させて頂きました。

美ヶ原温泉について

全国的な知名度は低めの美ヶ原温泉。

旅館組合で紹介されている旅館・ホテルは14軒のこじんまりした温泉街で、松本の中心地から車で10分ほどとアクセスも良好。
「市街地からそんな近くに本当に温泉街があるのか!?」と不安でしたが、静かな住宅地にぽつりぽつりと旅館があるような雰囲気でした。

旅館組合のサイトによれば美ヶ原温泉の歴史は奈良時代まで遡るとのこと。
「美ヶ原温泉」という名前に落ち着いたのは昭和に入ってからのようですが、安土桃山~江戸時代にかけては松本城主の保養地になっていたりと、由緒正しき湯であったそうです。

美ヶ原温泉に湧く湯は弱アルカリ性単純温泉。
泉質だけ効くと「効能は薄そうだな」という印象を受けますが、神経痛や動脈硬化に効果があるとのことで国民保養温泉地に指定されています。

実際入ってみての感想等はこのあとで。

なぜ『追分屋旅館』か

今回『追分屋旅館』を訪れたのは、先述のように映画『あの頃君を追いかけた』のロケ地聖地巡礼が一番の理由。
館内を利用したシーンは無かったように記憶していますが、主人公が駆け込んでいくシーン等、ここで撮ったんだなぁと。

館内にはポスターが貼ってありました。

山梨に泊まっていたので「ほったらかし温泉」に入ろうという話になり現地まで行ったんですが、「やっぱり普段行くことのできない温泉を開拓したい」と僕が押し切り、どこの温泉街にある宿なのか、どんなお風呂があるのか等も全く分かっていませんでしたが『追分屋旅館』訪問を決めました。

追分屋旅館の温泉&入浴記

朝9:00頃石和温泉の宿を出て、20分ほど掛けて一度は「ほったらかし温泉」へ。
というのも二人とも「ほったらかし温泉」に2つある浴場のうち「あっちの湯」にしか入ったことがなかったので、朝のこの時間は「こっちの湯」に入るチャンスだ!と。

意気揚々と現場についてみると、「こっちの湯」の営業は10:30から。

散々「あっちの湯」に入ってる身としてはどうも煮え切れない思いがあり、友人を押し切って、往復40分のロスながらも長野へと足を向けることに。

「それならパンフレットに載ってた追分屋旅館に行ってみたいよね」と友人がネットで調べるものの日帰り入浴の情報は無し。
食事付きの5000円プラン等の掲載はありましたが、我々にそれほどのお金は無く。

友人が電話を掛けて宿の方と話をすると、800円で日帰り入浴できますよ、と。

そして走ること2時間ほど。
松本市街を抜け、追分屋旅館に到着。

立派な構えの入口で、こんな若者がズカズカ入って良いものかと少し躊躇しつつ。

受付から温泉へ抜ける途中には鯉のいる池があったり。

温泉に到着。

時間も時間で誰もいなかったので写真も幾らか撮らせて頂きました。
脱衣所を抜け、内湯に浴槽が1つ、露天に浴槽が2つの合計3浴槽。

どの浴槽にもこだわりが込められていて、宿の丁寧な心遣いが感じられました。

内湯は障子のような窓を開けて外の空気を感じられたり、浴槽の窓際が浅くなっていてぼーっと長湯が出来たり。

露天の一つは浴槽内の壁が傾いていて、寝湯とは言わないまでも身体をごろんと預けやすい作りに。

もう一つの「虹の湯」は、ハイカラなタイル張り。

この「虹の湯」の設定温度はぬるめだと書いてありましたが、3つある浴槽の中で一番熱かったように思います。
掛け流しと循環の組み合わせとのことだったので、この浴槽には比較的掛け流しに近い湯が流れ込んでいるのかも知れません。

と、浴場の作りについてつらつらと述べましたが、特筆したいのは居心地の良さについて。

内湯も露天湯もとにかく居心地がいい!

ぼーっと何事も考えずに湯に浸かれるよう工夫がされているのか、2人何も喋らず、ずいぶんと長いことぼーっとしてしまいました。
言語化できれば良いんですが、空気感を書き記すのはやはり難しく。

ぜひまた、のんびりしたい気分のときに訪れてみたい旅館でした。

『追分屋旅館』の情報

公式サイト:美ヶ原温泉 追分屋旅館(http://www.oiwakeya.com/)
☎0263-33-3378(追分屋旅館)
アクセス(公共交通):新宿から2時間40分、JR松本駅から美ヶ原温泉行きバス乗車25分、辻堂停留所そば。
〒390-0221 長野県松本市里山辺1145

総合評価

【泉質(アルカリ性単純温泉)】
★★★☆☆ 3.0/5.0
単純温泉ではあるものの、軽さとしっとり感をほのかに感じる良泉。
【湯質(掛け流し有無等)】
★★★☆☆3.0/5.0
シャワー等には源泉がそのまま使われているそうですが、湯船は循環加温あり。
温泉の持つ匂いとの判別がつかない程度に消毒臭を感じました。
【温泉設備】
★★★★☆ 4.0/5.0
屋内1つ+屋外2つと目立った設備ではないものの、一つ一つの浴槽にこだわりを感じられました。
【施設の雰囲気】
★★★★☆ 4.0/5.0
綺麗に整備し直された、歴史は古い暖かみのある温泉旅館。
【価格帯】
★★★★☆ (日帰り800円 or素泊まり5000円 以上)
【総合評価】
★★★☆☆ (また行きたい)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です