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Vampire Weekend

ドイツ留学中、友人の誕生日パーティーでパソコンから流れていた”Cousins”を聴いてから細々とハマり続けているVampire Weekend。

それまで洋楽はアメリカのものばかりを聴いていたので「UKロックもいいなあ」と思ったも束の間、彼らもアメリカ出身バンドなのでした。

5月リリースの新作は、柔らかい音作りが特徴のほんわかポップ。

先日これまでにリリースされた3枚のアルバムをようやく聴き切ったので、そろそろ「好きなバンド」の一つに数え上げてもいいかなと思います。


(2018/9 NewYorkCity-U.S.A.)

2018年の個人的ベスト10曲

毎年「やったら面白いだろうなぁ」と思ってやらずじまいの『20○○年の10曲』。

10年後に見返したら面白いだろうし、1年後には1年前にハマってた曲なんて忘れてしまうので、今年こそは(年は越してしまいましたが)書き残しておきたいのです。

ハマって聴き込んでいた曲と、2018年の要所要所を彩った曲たちを順不同にて、10曲です。

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はじめてArcticMonkeysを観た@London-O2Arena

Arctic Monkeysを観てきました。
彼らのデビューは2005年。デビューと共にスターダムを上り詰め、2012年ロンドン五輪では開会式でもプレイ。
2013年の『AM』リリースから後はグループとしての活動を殆どしていませんでしたが2018年遂に復活。デビュー当時の荒削りさはまるで消え去ってしまった最新作に困惑したファンも多いようですが、それでも”ArcticMonkeys”は健在。
「こんなにカッコいいバンドを「国民的バンド」と呼べるイギリス人が羨ましい」が今回のライブを通じての一番の感想です。
もう少し噛み砕いて感じたことを3点にまとめますが、素人目ですので寛大な心でお読み頂ければ幸いです。

ベースが主役のバンド

ライブを観て一番に思ったのは、彼らがベースが主役のバンドだなということ。
スタジオ音源を聴くとボーカル、アレックス・ターナーの声色が何より印象に残りますが、ライブで耳にした楽曲たちの印象はまるで別。

もちろんボーカルの存在感は大きいですが、耳に残るのは圧倒的にベースのサウンド。
音源でもベースの存在感が立っているフレーズは幾つもありますが、思っていた以上に楽曲の中でのベースの役割が大きかったんだなと再確認しました。

ボーカルを殺さず、それでいて自己主張が強く、耳に(いい意味で)ねっとりとこびり付くようなベースライン。

音源では体感することのできない音を全身で感じることが出来たので、これだけでもこのライブ大満足です。

キラーチューンの破壊力

このライブは、バンドの持つ「キラーチューン」の重要性を強く実感するいい機会でもありました。

「キラーチューン」とは読んで字の如しで、必殺の一撃とでも言えるような、その一曲で会場の雰囲気をガラッと変えてしまうようなバンドにとって強力な武器になる楽曲。

ライブは”Four Out Of Five”のPVに現れるアラート音で幕を開け、しっとりと”Star Treatment”からスタート。
そして楽曲が終わると一瞬の沈黙を置き、ズタズタズタズタと”Brianstorm”のドラムが始まり、照明もパァっと煌びやかに。

“Star Treatment”に惹き込まれて次の曲やこの先のライブの展開の事なんぞは頭の片隅にもなかったので、まるで突然雷が落ちたような衝撃。

フロアの反応も似たようなもので、あちらこちらでビールの入ったカップが宙を舞います。
自分の中の高揚感が会場全体が感じている高揚感と共鳴して、ライブへの没入感が一気に高まった瞬間でした。

セットリスト全体を通して緩急のつけ方が上手く新旧Arctic Monkeysの楽曲がそれぞれ効果的にライブ全体を彩っていましたが、この”Star Treatment”→”Brianstorm”の繋ぎでは特に、キラーチューンがライブの中で持つ役割の大きさを強く感じることが出来ました。

練熟した”青年の楽曲”たち

デビューから12年が経っているとなれば半ば当然ではありますが、バンドの円熟とそれに伴った楽曲の成熟をライブ全体を通して強く感じることが出来ました。

どの楽曲ももちろん骨組みは変わっていないわけですが、それでいて「最近のリリース楽曲?」と思わせる成熟感があるんです。

楽器がタメ気味のプレイをしていることで安定感や円熟感を覚えるのかなとは思うんですが、アレンジも少しずつ音源とは変わっていて、とても良い色に。

あとはそれぞれのメンバーが、パフォーマンスにしろ音にしろ、自分を大きく見せる術を知っているなとも感じました。

もちろん音響的にボリュームの限界はあるわけですが、音の差し引きや奏法、音の作り方でその限界までボリュームを引き出す(というかボリュームを感じさせる)音の出し方をしているなと。

端的に言ってしまえば音圧の話なわけですが、何というか、単純な音圧とも違う尺度で、音が纏まっている気がしました。言語化出来ない、何か。

全体を通して

何だか取り留めのない内容になってしまいましたが、特にライブを通じて感じたことは上記の3点。

若く勢いのあった楽曲たちも、キャリアを積むと共にチューンアップされてより一層魅力的に仕上がっていました。

また日本でも観たいけれど、オーディエンスの反応も全く違うだろうし、何となく不安でもあったりします。

もしも最後まで読んで頂けた方がいたようでしたら、ありがとうございました。
大した記事で無く申し訳ないです。。

東京ドーム公演から考えるONE OK ROCKの現在地と未来図

昨日4月4日の東京ドーム公演を観てきたので、観ながら考えたことを少し。ライブレポートと言うよりも、TakaのMCから考えたONE OK ROCKの過去と現在と未来について書こうと思います。

まずは、少しく前置きを。そもそも今回ライブを観に行くことに決めたのは、「いい加減ワンオクに区切りを付けよう」という動機から。高校生の頃(5,6年前)は頻繁に聴いていたONE OK ROCKですが、最近はアルバムをiTunesで買いはするものの、その度に個人的な感想は「うーん、なんかいまいち」といった感じ。ドイツ留学中にヨーロッパ公演があれば良かったんですがそれも無く、「これでワンオクは最後!」と踏ん切りを付けられずにいました。
前回ワンオクを観たのはAll Time Lowとのスプリットツアーで、これもどちらかと言えばATLを観に行った部分が大きかったので、やはり最後にはワンマンを観たかった。

で、白羽の矢が立ったのが今回のライブ。僕が聴いていた頃のツアーはZepp2Days +新木場みたいなキャパシティだったので、ドーム2Daysに感慨深さもありつつ、これが最後ならいい区切りにもなるだろう、と。

やっとここから本題ですが、今回はライブレポートどうこうではなく、ONE OK ROCKの現在の立ち位置と、今後進んでいく道についてライブ中に考えたことを書こうと思います。

※TakaのMCの内容は、ニュアンスを捉えただけで一言一句同じではないです。ご了承ください。

まずはTakaがMCで言っていた、「ONE OK ROCKはみんなが思うよりも険しい道にいると思う。ヒット映画のエピソード2を作るが難しいのと同じように、たくさんの期待を背負って作品を作ることはとても難しい。」という言葉について。
ワンオクの楽曲を聴く人は世界中に何万何十万何百万と居て、リリースされる楽曲への期待値が高いことは言わずもがなです。ですが過去のリリース作品をまじまじと振り返ってみると、「ワンオクらしさって、なに?」と改めて思う方が多いかと思います。例えに東京ドームでワンマンを行うようなアーティストを挙げれば、ミスチルには「ミスチルらしさ」があり、B’zには「B’zらしさ」が、Perfumeには「Perfumeらしさ」があるように思います。
確かにONE OK ROCKもロックバンドであり、軸にあるものはロックです。ですが1stアルバム『ゼイタクビョウ』と最新アルバム『Ambition』を比べればその差は歴然。歌い回しから曲の構成、サウンドメイクまで何から何からが違います(なんならメンバー構成も違う)。この間ほんの10年。未だに「ワンオクらしさ」が見つからない中で東京ドームという最大キャパシティまで来てしまった。先に挙げたようなアーティストならば、ミスチルならば「ミスチルらしい曲」を。B’zならば「B’zのような曲」をリリースすれば、ファンの大多数は満足します。なぜならその「らしさ」に惹かれてそのアーティストを応援している部分が多分にあるからです(あくまで仮説ですが)。
じゃあワンオクはどうしたら良い?と言えば、最近ファンになった人は『Change』『We are』のようなポップサウンドも取り入れた楽曲に満足するでしょうし、一方で僕は『Nicheシンドローム』のようなアルバムがまた出たら面白いなと思っている。
つまり言いたいことは、ONE OK ROCKのファンは「ワンオクらしさ」に惹かれているのでは無いのではないか?という事です。そう考えれば、Takaの言っていた「期待に応えるのは難しい」という点とも符号性があります。

ではファンはONE OK ROCKの何に惹かれているのか?と言えば、僕はTakaのカリスマ性、ONE OK ROCKがバンドとして持っているストーリー性の2点ではないかと考えました。
急に分析的でなくなりますが、先にまず挙げたのはTakaについて。僕がワンオクで好きなのは2010年代前半のパンクな楽曲たちですが、今でも最新リリースを追い掛けますし、ライブも行ってみたいなぁと思います。昨日ライブを観ていて思ったのは、古い楽曲も多くのワンオクファンに愛されているという事。キャパシティの拡大スピードを考えれば、現在のワンオクファンの多くの入り口は『人生×僕=』以降だったのでは無いかと思います。それでも昨日のライブでは『内秘心書』と『努努』のアコースティックに会場全体が湧き、『未完成交響曲』『キミシダイ列車』『Wherever you are』『Nobody’s home』といった、アルバム『残響リファレンス』以前の楽曲にも大きな歓声が上がっていました。
この様子を見て確信したのは、ワンオクファンが追っているものは「ワンオクらしさ」ではなく、彼らが創り上げてきた過去を含めた「ONE OK ROCK」なのでは無いか、という事です。つまり、他の有名アーティストが持っているような「〇〇らしさ」でなく、ONE OK ROCKそのものが好きなのでは?ということです。ではなぜONE OK ROCKを過去へ未来へと追いかけたくなるかと言えば、ようやく先の部分に話が戻ってきましたが、Takaの人柄であったり包容力といった、一言でまとめれば「カリスマ性」という部分だと思います。
いつライブを観に行っても前向きで、よくMCで口にするのは「辛くなったらまた遊びに来いよ」。それに言葉が正直で、そこに惹かれる人も多いだろうと思います(昨日のライブでは「ドームツアーやって、次に目指す場所ってどこなんだよーと思うこともある」と言ってました)。それにTaka自身が持っている、『Nobody`s home』に表現されているような家族のエピソードや、過去の悪行などの(劇的な)ストーリー性。Takaを形作っている過去の出来事と、現在の立ち居振る舞いは、バンドそのものを応援したくなる要素としてかなり大きいのではないかと思います。
それともう一点挙げたのは、ONE OK ROCKのストーリー性。「親の七光り」と言われたく無いからとメディアには殆ど露出せず、その中でもこの大成功。それでいながら「挑戦し続けるか止めるかの2択」という発言を見せるなど、決して現在の地位に安住することのないバンドの姿勢とその儚さ。などなど。
人が物事に魅力を感じるポイントは百人いれば百あるので挙げればきりがないですが、ONE OK ROCKが持っている儚さといいますか、何といいますか、ともかくも、人を魅了する点がすごく多くてそのどれもが効果的だなと感じます。

この事を考えると、Takaは「ワンオクは険しい道に居る」と言っていましたが、未来はそう暗く無いのではないかと個人的には思います。昨日のどこかのMCでTakaが、「(ONE OK ROCKは)ここまで来ちゃえば挑戦し続けるか諦めてやめるかの2択」と言っていました。過去10年間でこれだけ変化を遂げてきて、未だにバンドは変化を続けています。となれば、本人の口から出たように、「もう挑戦し続けることは出来ない、全てを出し切った」という日が来るまで、ONE OK ROCKは挑戦を続け変化し続けると思います。
バンドが活動を続けるにはもちろんファンの存在が必須ですが、未だに「らしさ」を確立していないワンオクを応援している現在のファンが、今後のONE OK ROCKの挑戦・変化に拒絶反応を起こすとは思えません。
それに昨日の本編終盤でColdrain、Cossfaith、SiMのボーカルがゲストで出てきましたが、ライブ全体の中でこの瞬間の歓声が一番大きかったんです(Takaの声が聞こえずに、誰が出てきたのか分からなかったほど)。それぐらいワンオクを取り巻く環境全体を、ひいてはロックを愛している懐の深いファンが多いことが分かったので、より強く、彼ら(僕も含めてですが)ファンがONE OK ROCKから離れていくことはそう無いだろうと確信しました。

最後に分かりやすくまとめると。
・「ワンオクらしさ」は未だに存在せず、バンドは現在も進化・変化を進めている
・バンドの持つ「らしさ」でなく、ONE OK ROCKそのものに惹かれているファンが多い
・また、音楽を愛している、懐の深いファンが多い
・そのため、TakaのMCからも分かるようにONE OK ROCKはこれからも挑戦(変化)を続けていくであろうが、ファンが離れていくことは無いだろう
ということです。

MCで「そろそろバンドの第一章を終わらせて第二章を始める時が来た気がしている」と言っていましたが、これまでの目まぐるしい変化の期間を第一章として、第二章では「ワンオクらしさ」というものを確立していくのではないかと思います。
ここまで読んできていただいてアレですが、あくまで一ファンの譫言(うわごと)ですので、「そういう風にバンドの今後を見ていくのも面白いかもね」程度に読んで頂けたら幸いです。
こんな駄文を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。