Arctic Monkeysを観てきました。
彼らのデビューは2005年。デビューと共にスターダムを上り詰め、2012年ロンドン五輪では開会式でもプレイ。
2013年の『AM』リリースから後はグループとしての活動を殆どしていませんでしたが2018年遂に復活。デビュー当時の荒削りさはまるで消え去ってしまった最新作に困惑したファンも多いようですが、それでも”ArcticMonkeys”は健在。
「こんなにカッコいいバンドを「国民的バンド」と呼べるイギリス人が羨ましい」が今回のライブを通じての一番の感想です。
もう少し噛み砕いて感じたことを3点にまとめますが、素人目ですので寛大な心でお読み頂ければ幸いです。
ベースが主役のバンド
ライブを観て一番に思ったのは、彼らがベースが主役のバンドだなということ。
スタジオ音源を聴くとボーカル、アレックス・ターナーの声色が何より印象に残りますが、ライブで耳にした楽曲たちの印象はまるで別。
もちろんボーカルの存在感は大きいですが、耳に残るのは圧倒的にベースのサウンド。
音源でもベースの存在感が立っているフレーズは幾つもありますが、思っていた以上に楽曲の中でのベースの役割が大きかったんだなと再確認しました。
ボーカルを殺さず、それでいて自己主張が強く、耳に(いい意味で)ねっとりとこびり付くようなベースライン。
音源では体感することのできない音を全身で感じることが出来たので、これだけでもこのライブ大満足です。
キラーチューンの破壊力
このライブは、バンドの持つ「キラーチューン」の重要性を強く実感するいい機会でもありました。
「キラーチューン」とは読んで字の如しで、必殺の一撃とでも言えるような、その一曲で会場の雰囲気をガラッと変えてしまうようなバンドにとって強力な武器になる楽曲。
ライブは”Four Out Of Five”のPVに現れるアラート音で幕を開け、しっとりと”Star Treatment”からスタート。
そして楽曲が終わると一瞬の沈黙を置き、ズタズタズタズタと”Brianstorm”のドラムが始まり、照明もパァっと煌びやかに。
“Star Treatment”に惹き込まれて次の曲やこの先のライブの展開の事なんぞは頭の片隅にもなかったので、まるで突然雷が落ちたような衝撃。
フロアの反応も似たようなもので、あちらこちらでビールの入ったカップが宙を舞います。
自分の中の高揚感が会場全体が感じている高揚感と共鳴して、ライブへの没入感が一気に高まった瞬間でした。
セットリスト全体を通して緩急のつけ方が上手く新旧Arctic Monkeysの楽曲がそれぞれ効果的にライブ全体を彩っていましたが、この”Star Treatment”→”Brianstorm”の繋ぎでは特に、キラーチューンがライブの中で持つ役割の大きさを強く感じることが出来ました。
練熟した”青年の楽曲”たち
デビューから12年が経っているとなれば半ば当然ではありますが、バンドの円熟とそれに伴った楽曲の成熟をライブ全体を通して強く感じることが出来ました。
どの楽曲ももちろん骨組みは変わっていないわけですが、それでいて「最近のリリース楽曲?」と思わせる成熟感があるんです。
楽器がタメ気味のプレイをしていることで安定感や円熟感を覚えるのかなとは思うんですが、アレンジも少しずつ音源とは変わっていて、とても良い色に。
あとはそれぞれのメンバーが、パフォーマンスにしろ音にしろ、自分を大きく見せる術を知っているなとも感じました。
もちろん音響的にボリュームの限界はあるわけですが、音の差し引きや奏法、音の作り方でその限界までボリュームを引き出す(というかボリュームを感じさせる)音の出し方をしているなと。
端的に言ってしまえば音圧の話なわけですが、何というか、単純な音圧とも違う尺度で、音が纏まっている気がしました。言語化出来ない、何か。
全体を通して
何だか取り留めのない内容になってしまいましたが、特にライブを通じて感じたことは上記の3点。
若く勢いのあった楽曲たちも、キャリアを積むと共にチューンアップされてより一層魅力的に仕上がっていました。
また日本でも観たいけれど、オーディエンスの反応も全く違うだろうし、何となく不安でもあったりします。
もしも最後まで読んで頂けた方がいたようでしたら、ありがとうございました。
大した記事で無く申し訳ないです。。