二葉亭四迷『浮雲』

【読書録】『浮雲』(1887~1889) 二葉亭四迷

『浮雲』は二葉亭四迷によって書かれた長編小説。明治時代の作品で、言文一致体小説の祖と言われています。
あまりにもそのことばかりが有名で内容について全く知らないので、読んでみるかーと思い読みました。
読んでいたのは、6月から7月にかけ3週間ほど。試験期間だったのもあり、結構時間がかかりました。では、簡単にまとめます。

あらすじ

Wikipediaに載っていたあらすじはこんな感じ

内海文三は融通の利かない男である。とくに何かをしくじったわけでもないが役所を免職になってしまい、プライドの高さゆえに上司に頼み込んで復職願いを出すことができずに苦悶する。だが一方で要領のいい本田昇は出世し、一時は文三に気があった従妹のお勢の心は本田の方を向いていくようである。お勢の母親のお政からも愛想を尽かされる中、お勢の心変わりが信じられない文三は、本田やお勢について自分勝手に様々な思いを巡らしながらも、結局何もできないままである。 -wikipedia

読んでから時が経ってしまったので詳細まで覚えていないんですが、ざっくりとこんな感じ。
結局は文三の要領の悪さが目立つんですが、上のあらすじの通りでプライドが邪魔をして、上手く振る舞うことが出来ないわけです。
そもそもは家庭の環境から、お勢の家でお勢、その母、父(ほとんど話には登場しません)と暮らしていました。元々はお役所務めだったので、お勢の両親も文三をお勢の婿にと考えていましたが、そんなタイミングで文三は失職。歯車が狂っていきます。。
文三は、「自分は何も悪いことはしていない。今でもお勢の婿にふさわしいのは自分だ」と考え振る舞い続けるため、家の中での孤立は深化。なにもかもが上手く行きません。

 

感想

作品を読んでいての内容に対する感想は、文三は馬鹿だな~ということばかりです。笑
では作品としてどうなのかというと、まあ、なるほど、と言った感じ。作者も作品の途中でこのような注を入れています。

只々作者にハつまらぬ事にハつまらぬという面白味が有るように思われたからそれで筆を執ッてみた計りです。

つまらない事には、「つまらない」という面白さがあるのではないか、ということですね。
作者自身も、この話自体が大層面白いとは決して思っていないということでしょう。二葉亭四迷に詳しくないのでバックグラウンドはわかりませんが、やはり、言文一致体を取り入れる実験といった色が強い作品なのかなと思います。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です