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指宿温泉の温かな小旅館|指宿温泉『旅館 川久』|鹿児島県|温泉のすゝめ31

No.31 2018年11月15日 
評価★★☆☆☆ (これで満足)
【温泉名】指宿温泉『旅館 川久』(鹿児島県指宿市)
人生3度目の鹿児島県指宿温泉。
指宿には砂蒸しが好きで行くんですが、今回は、長めの旅行ということでコスト重視の宿を選択。
暖かく迎え入れていただいたので気持ちよくは過ごせましたが、また行きたいかと言われたら少しパンチは弱め。

指宿温泉(とその泉質)

砂蒸しが有名な指宿温泉。
砂蒸しといえば指宿、指宿と言えば砂蒸し。とでも言うほどの土地ですが、良質で湧出量豊富な塩化物泉のある温泉地でもあります。

宿の女将さんに聞いた話だと、「昔は多くの家庭が風呂場には温泉しか引いていなくて(シャワーが無く)、髪はガサガサ、夏は熱くて地獄」だったと。
今でも地域の9割ぐらいは家に温泉を引いてるんじゃないかなぁとも仰っていました。

この話でも分かるように、指宿一帯にこんこんと湧いているのは塩化物泉。湯上がりポカポカの泉質で、砂蒸しにも発汗によるデトックス効果が有るので、なんだかとても体の温まりそうな土地だなと。笑

開湯の時期は定かでは無いですが、江戸時代には島津義久が藩政の激務の疲れを癒やしていただとか、西郷どんも訪れていたんではないか等歴史的な話題も幾らかあります。

ただ、温泉が幅広い地域で湧くこともあって旅館やホテルが散立しており、こじんまりした温泉街がないのが観光という意味では少し残念ではあります。
 

昔懐かしい旅館『川久』

宿泊したのは旅館 川久。

値段が安く、源泉掛け流しの温泉がある、という2つの点でチョイス。夕朝食は無しの素泊まり。
宿に着いたのも23時過ぎで翌朝も9時過ぎには出たので本当に一泊して朝風呂に入っただけなので、適切な評定が出来るとは思いません。

が、ともかくも、掛け流しの温泉があって◎。
宿は古びた昭和の薫り漂う建物ですが、部屋の和式トイレが洋式に改造してあったりと、綺麗ですし快適に過ごすことが出来ました。

温泉は2箇所で、どちらも貸し切り方式。
玄関近くにある貸切札を勝手に使って入浴します。

そして浴場は、どちらも「ザ・民宿の小浴場」という雰囲気。

温泉は蛇口を捻って自由に供給できますが、水で埋めることも出来るので、前の人がぬる湯に入っていたりすると、そこまで温泉の恩恵にダイレクトには与れないかなと。

ですので、泉質は文句無しの◎ですが、湯質は△(運次第)。
温泉用の蛇口はこんな感じに。

とても暖かく迎えてくれるので安旅にはもってこいですが、また行きたい!と言うよりは、もっとイイ宿に泊まりたいなぁというのが正直なところです。
 

総合評価<

【泉質(塩化物泉)】
★★★☆☆ 3.0/5.0
湯上がりポカポカの塩化物泉
【湯質(掛け流し有無)】
★★★☆☆ 4.0/5.0
掛け流しでは有るものの、湯船が小さく熱ければ水も入れられるので、運次第。
【温泉設備】
★☆☆☆☆ 1.0/5.0
小さな屋内浴場二箇所のみ。
【施設の雰囲気】
★★★★☆ 4.0/5.0
昔ながらの旅館。女将さん(?)も優しく、暖かみのある空気感。
【総合評価】
★★☆☆☆ (これで満足)
 

自家源泉をミックスした掛け流し美肌の湯|湯田温泉『梅乃屋』|山口県|温泉のすゝめ29

No.29 2018年11月12日
評価★★★★☆ (是非また行きたい)
【温泉名】湯田温泉 『梅乃屋』(山口県山口市)
この度は、9泊のスケジュールで九州旅行に行ってきました。
国内隅々の温泉を共にしている友人との2人旅だったので、九州の温泉も、隈なく可能な限りで。
初めは九州の入口、山口県で立ち寄った湯田温泉での入浴記。

湯田温泉の歴史とあれこれ

山口県内で宿泊地を探していたところたまたま発見した湯田温泉。知名度はと言えば、他の有名な温泉地に比べると、全国区とは到底言えないかなとは思います。
ただその歴史は古く、湯の起こりは500年ほど前の室町時代にまで遡るとのこと。
それにところは、かつて長州藩の置かれた山口県。江戸末期から明治期に活躍した長州志士たちも藩随一のこの湯田温泉に集まり酒を酌み交わし、疲れを癒やしたとのこと。

そんな歴史ある湯田温泉ですが、先にも述べたように知名度はイマイチ。大都市からの距離が微妙なことや有名な温泉地が九州に多いことなどが主な理由ではありますが、大型の旅館・ホテルが市街地内に集まる温泉地で、いわゆる「温泉風情」が無いのも事実。
それに、自家源泉を所有していない旅館ホテルも多く、そのような施設では中央管理式の消毒臭を感じる湯が提供されていることも、温泉好きの足を遠のかせている遠因かと思います。

湯田温泉 『梅乃屋』

そんな歴史は有るが湯は弱いと言わざるを得ない湯田温泉に在って、自家源泉・掛け流しを行っている『梅乃屋』。ネットで安く泊まれる源泉かけ流しの宿を探していて見つかったのがこのお宿。

屋号の頭に「湯の宿味の宿」と入っているように、温泉と食事に力を入れているお宿。夕食は頂きませんでしたが、とても美味しく朝食は頂けました。

とはいえ湯と食だけに力を注いでいるという訳でなく、温かみのある接客があったり部屋にiPadが置かれていたりと、隅々にまで気遣いが行き届いている宿だなと感じました。

梅乃屋の温泉

自家源泉かけ流しに釣られて宿泊した身としては、期待値を上げざるを得ない大浴場での入浴。
浴場は1階受付そばにある男女別の露天付き大浴場一箇所。アルカリ性のお湯で、「艶肌の湯」と。

脱衣所にあった湯田温泉についての説明。

そして梅乃屋の「美肌の湯」についての説明。

分析表を見たところ湯田温泉の源泉も利用しているため厳密には「自家源泉100%」では無いような気もしますが、それはひとまず気にしないことに。

浴場は広々としており、10人は入れそうなミックス泉の浴槽と(42,3℃ぐらい)と、2人入るといっぱいの自家源泉の掛け流し浴槽が。

ミックス泉ももちろん掛け流しということで湯質は高く、湯あたりも柔らかめ。

自家源泉の浴槽は、ひんやりとする冷泉。pH値を見るとミックス泉の方がアルカリ性が強いはずなんですが、こちらの冷泉の方が、とろりとして、冷たくも暖かみを感じるお湯(というか水?)でした。

露天の浴槽は屋内にあった高温浴槽よりは少し狭いものの、それでも広々していて落ち着きのある雰囲気。
湯ざわりはやはり柔らかく、湿度でムッとしていた屋内層よりもお湯の質をよく感じられたように思います。

思いがけず立ち寄った湯田温泉でしたが、これ以上無いと言っていいほどの良いお宿でした。

総合評価

【泉質(アルカリ泉)】
★★★★☆ 4.0/5.0
アルカリ性の美肌の湯で、ミックス泉なのも面白い。
【湯質(掛け流し有無等)】
★★★★★ 5.0/5.0
自家源泉を混ぜた掛け流し。冷泉の湯質は抜群。
【温泉設備】
★★★★☆ 4.5/5.0
内湯、サウナ、露天、源泉湯(冷泉)と充実。
【施設の雰囲気】
★★★★☆ 4.0/5.0
規模はそこそこあるものの、手入れと接客の行き届いた素晴らしい旅館。
【総合評価】
★★★★☆ (また是非行きたい)

自然あふれる小さな温泉郷|山田温泉『風景館』|長野県|温泉のすゝめ24

No.24 2018年7月29日 評価★★★★☆4.5/5.0
【温泉名】山田温泉(長野県上高井郡)
長野県の山奥にある、山田温泉に行ってきました。1泊2日の宿泊で、宿泊先は創業240年を誇る旅館『風景館』に。宿が7軒だけしかない小さな温泉街でしたが、旅館のお風呂ももちろん、外湯も温泉好きにも満足できる素晴らしい施設でした。
山田温泉全般について、大湯について、外湯「滝の湯」について、宿の温泉設備について、と書こうと思います。

開湯200年以上の歴史ある「山田温泉」

温泉にも新旧さまざまあります。道後、有馬、玉造のような、古事記や日本書紀に記されているいわゆる古湯がある一方で、数年前に掘り当てられたような新しい温泉(街)も多く存在します。
そんな中で山田温泉は、1700年代終わり頃に現在の場所に整備されたとされる200年以上の歴史を持つ温泉地。今回宿泊した『風景館』も創業は1769年、現在の館主は7代目とのことでした。江戸時代後期に整備された山田温泉は多くの文人墨客も足を運んだ温泉地。森鴎外、与謝野鉄幹、与謝野晶子、菊池寛、会津八一なども訪れたといい、『風景館』には美空ひばりも宿泊したそうです。

現在の山田温泉と温泉街の雰囲気

そんな山田温泉ですが、それほど規模の大きな温泉地ではありません。200mほどの一本道の左右に、旅館と土産屋がぽつりぽつりとあるだけなので、徒歩で端から端まで散策可能。他には薬師堂と外湯が2軒。
山田温泉のメイン通り
温泉街の中心にある大湯の前には広場と足湯が。
大湯の前の広場
その向かいには観光センターのような建物もあったりと、小さな温泉街ではありますが、「寂れている」というよりは「コンパクトに充実している」という印象の方が強かったです。

山田温泉の中心「大湯」

温泉街の中心的存在の「大湯」。観光客も利用できる形のいわゆる共同浴場で、入湯料は300円。
山田温泉大湯の外観
脱衣所は広めで、100円の鍵ロッカーもありました。スマホ禁止の張り紙があったので、写真は外だけです。
大湯の暖簾
スマホ使用禁止の貼り紙
浴場は共同浴場にしてはかなり広めで、10人は入れそうなあつ湯(43℃)と3人ほど入れそうなぬる湯(40℃)が。
洗い場はあるもののシャワーはなく、他では見たことがない独特な形式でした。浴場の一番奥に温泉を貯めた場所があるんですが、そこから水路が3つ伸びています。そこには水をせき止める木の板がはまっていて、それを傾けると流れてくる温泉のお湯を、桶で受け止める。シャワーのない大昔はこういう洗い場が一般的だったのかも知れません。それを見て実際に体験できただけでも貴重な経験でした。
泉質は山田温泉内はどこも一緒で塩化物泉。肌に直接感じるものは大きくありませんが、保温効果は抜群です。温度は調整されているようでしたが、湯質も良く保たれているなと感じました。

知る人ぞ知る共同浴場「滝の湯」

宿にあった案内に「知る人ぞ知る」と案内されていた滝の湯。日帰り利用は出来ず、各旅館の受付で鍵を借りる必要があります。
滝の湯の入り口の鍵
入浴料は無料。大湯から徒歩30秒の場所にあります。
古びた小さな建物。
山田温泉「滝の湯」の外観
鍵を開けて入るとすぐに浴槽と脱衣所があります。
滝の湯の浴場
驚きだったのは、ガラス張りになっていてメイン通りから中が丸見えなこと。女子風呂はさすがにそんな事無いんでしょうが、これほどオープンな温泉は初めてでした。

そしてお湯の方はというと、衝撃の熱さ。掛け流しなことが良く分かる熱さで、50℃以上はあったと思います。水の出る蛇口は2つありましたが、それでもかなり時間が掛かりそうだったので、脚を2,3回入れただけで退散しました。
滝の湯の浴槽
滝の湯の内部の全景
宿の方に聞いたところ、滝の湯のお湯は朝が一番熱いとのこと。夜になれば、何人も水を入れるから普通の温度になるんですけどね~と仰っていました。

あとは、飲泉可能かは分からなかったですが、竹の筒があったので飲んでみました。すると意外や意外、味に癖はなくナチュラルな塩味で、温泉云々差し引いたとしても美味しいと思える味でした!宿や街の中でも飲泉場は無かったように思うので、飲泉可能なのはもしかすると温泉街の中でここだけかも知れません。
滝の湯の外観

露天岩風呂(仙人風呂)が売りの旅館『風景館』

宿泊した風景館の浴場は、内湯男女1つずつ、貸切風呂2つ、仙人岩風呂(時間入れ替え制)の4ヶ所。どこも源泉掛け流しのようでしたが、貸切風呂は45℃近く、内湯は40℃代前半、岩風呂は40℃あるかないかぐらいの湯温だったと思います。

貸切風呂は丸風呂と角風呂を選択可能。どちらも屋外で洗い場は無し。夜だったのもあり虫が大量にいたのがどうも気になってしまいましたが、山奥の温泉なのでこればっかりはどうしようもないかなと。

大浴場は、広々とした造り。
風景館の大浴場
男湯にも化粧水の用意があったのがとても好印象。

仙人風呂や貸切風呂には洗い場がないので、宿泊する際には必然的に一度は利用することになると思います。

仙人風呂は宿の建物から山中の階段を150段下っていくと現れる露天風呂。
冬場用のフル装備が有る出口を抜け、外へ。
露天岩風呂への出口
露天岩風呂への出口
旅館の出口を出たところ
蜂トンボ毛虫ゲジゲジ蜘蛛…となんでもありな山道を下っていくと、あばら家が。
仙人岩風呂へ続く階段
上から見た仙人岩風呂

山道を抜けた先。川沿いの岩場の上部に一枚岩を掘る形で露天風呂があります。
仙人岩風呂の浴槽
仙人岩風呂の説明
前日の台風の影響も幾らかあったのかも知れませんが、お湯は40℃前後とぬるめ。
真下には川が流れていて、周りを見渡しても完全に森の中。自然を感じながらのんびりお湯に浸かるには素晴らしい場所でした。

仙人風呂の浴槽
山田温泉『風景館』の露天岩風呂

帰りの登りはハードでした。本館にたどり着く頃には汗ビショに。
下から見上げた階段
※仙人風呂には飲み物の用意がないので持参必須。旅館のフロントまで戻るとお水があります。

総合評価

こじんまりした温泉街で、自然を感じるにはとてもいい場所でした。
外湯(共同湯)も他にはない面白みがあって、旅館のお風呂も充実。派手な泉質ではないですが、掛け流し中心の質のいいお湯がたくさん。とても良い温泉地でした!
【泉質】
★★★★☆ 4.0/5.0
質の高い塩化物泉
【温泉設備】
★★★★★ 5.0/5.0
外湯が面白く、旅館のお風呂も充実
【温泉街の雰囲気】
-/5.0
平日朝しか街を歩かなかったので、評価なし
【総合評価】
★★★★☆ 4.5/5.0

【番外】信州高山温泉郷で自然を楽しむ!

信州高山温泉郷の魅力は、四季の自然をふんだんに楽しめること!夏の緑・秋の紅葉ももちろんですが、大自然は葉の移ろいだけではありません。という事で最後に紹介するのは牧場と滝。

山田牧場

山田温泉から車で20分ほど山を登ると現れる広大な敷地。冬にはスキー場になりますが、夏場は牧場として営業し、牛の放牧が行われます。
飲食宿泊ができるのは敷地の入口近くの一帯。ソフトクリームを頂きました。
山田牧場のレストラン

山田牧場のソフトクリーム
問題は牛ですが、一体どこで放牧されているのやら分からず、飲食店から山を登ること10分近くしてようやく発見!牛に注意との看板も道端にあるぐらいなので敷地全体で放牧されているんでしょうが、訪問した日は猛暑真っ只中で、牛も日陰で休んでいました。
山田牧場の牛の放牧の様子

雷滝

こちらは山田温泉から10分弱の場所にある滝。道沿いの駐車場から滝までは、階段を下ること3分ほど。
雷滝の入り口
滝壺には近付けませんが、その代りと言ってはなんですが滝の裏側に回ることが出来ます。そのことから別称「裏見の滝」とも。
雷滝の裏側
水しぶきたっぷり、マイナスイオンたっぷりでした。
雷滝の滝壺
滝を見上げる

温泉好きが見た四万温泉の魅力|群馬県|四万温泉|温泉のすゝめ21

今回は、群馬県にある四万温泉で一泊してきました。
四万温泉を選んだのは、
①GWで有名温泉地は激混みだろうと思ったのでその回避のため
②GWでも1泊2食付き1万円の宿があったため
という2つの理由から。

国の温泉保養地に初めて認定された温泉地ということで、どことなく(良い意味で)昭和情緒が残っており、観光地として洗練された雰囲気はあまり感じませんでした。
四万温泉の温泉街
ただ、「観光地」というよりも「温泉地」でのんびりするには打って付けの場所かなという感想も同時に。
陶芸教室があったりおしゃれなカフェがあったり、温泉街のすぐ脇を清流が流れているので川でも気軽に遊べます。
それに積善館の「元禄の湯」は昭和5年の建造で国の登録有形文化財に指定されていたりと、温泉好きの心もくすぐるポイントも有り。
無料で利用できる共同浴場も数箇所あるので、その点でも温泉好きとしてはすごく楽しかったです。
それに、温泉の湧出量が多いのか、入った4箇所の温泉が全て掛け流しだったのも嬉しかったです。飲泉も楽しめるのでそれも◎!

温泉街散策

お土産店や飲食店などが点在している温泉街はこのあたり。
四万温泉の温泉街
このあたりは徒歩圏なので、川沿いにある町営の無料駐車場に車を停めて散策することが出来ます。

高齢化が進んでいる様子で活気があるわけではありませんが、のんびりするにはとても良い温泉街です。
距離にして100mぐらいの一本道に、お土産店と飲食店が合計10店強ほど。
四万温泉の温泉街
そこを抜けると重要文化財の積善館が左手に。
建物の見学も有料ですが可能です。
四万温泉積善館の橋
積善館の入口
積善館を出て真っ直ぐに進むと飲食店街もあるので、そちらにも足を伸ばすと良いかもしれません。

宿泊2日目に入ったおしゃれなカフェはこちらでした。
四万温泉 柏屋カフェ
自家焙煎豆を使ったこだわりの珈琲を楽しめますし、食事のメニューも充実しているのでとてもオススメです。

↓街歩きに便利!
湯散歩マップ | 【四万温泉公式】群馬県四万温泉観光ナビ
群馬県・四万温泉観光なび【公式】
 

共同浴場(御夢想の湯・河原の湯)

温泉好きとしては入らずにはいられない共同浴場。
宿泊者限定だったり地元の住民専用だったりといった温泉地もありますが、四万温泉では4箇所が無料で
観光客向けに開放されています。

入ったのは2箇所、御夢想の湯と河原の湯。
四万温泉発祥の地と言われている御夢想の湯。
御夢想の湯の建物
御夢想の湯に関する説明
設備は綺麗で、お湯は掛け流しでかなり熱め。
ただ湯船は一つだけで、2人入ったらかなり窮屈になりそうなサイズでした。
どこの宿も質の高い温泉施設を持っているので、共同浴場を使う観光客はあまり多くないのかもしれません。

もう1箇所は河原の湯。
河原の湯の入口
積善館のすぐ近くの、その名の通り河原に位置しています。
河原の湯へ降りていく階段
中は洞窟のようになっていて、湯船は3,4人入れるぐらいのサイズ感。
四万温泉河原の湯の浴場
お湯はもちろん掛け流しで、コップが置いてあり飲泉も可能でした。
湯船の底がヌメッとしていたり、泉質はこの旅行中に入った4箇所の温泉の中で一番好みでした。
人が多いとゴミゴミしそうですが、雰囲気もとても良かったです。
 

積善館「元禄の湯」

四万温泉の目玉と言っても過言ではない、積善館とその温泉施設「元禄の湯」。
積善館は元禄7年(1694年)の創業で、昭和5年(1930年)に建てられた温泉には「元禄の湯」という名前が付けられています。
日帰り入浴料は1200円と共同浴場が無料なことを考えると高めですが、温泉好きの方もそうでない方もぜひ入ってみることをオススメします。
元禄の湯の入口
貴重品をコインロッカーに入れ、扉を開けると脱衣所は無くいきなり浴場。浴場の随所に「入浴」に対する現代とは違った思想を感じられました。
温泉は掛け流しでお湯はオーバーフローしていますが、小さい浴槽に沢山の人が引っ切り無しに入るせいかお湯はあまり綺麗ではありませんでした。湯温は適温。

個人的に気に入ったのは、蒸し湯。現代で言うサウナですが、いわゆるフィンランド式サウナと異なるのは、小さな個室に高温の源泉を流すことで蒸気を充満させているところ。
四つん這いでやっと入れる扉を開けると、中にはタイル張りの腰掛けが。
源泉流すだけでそんなに温まるわけ無いだろうと思っていたものの、想像以上に汗をかきます。
薄暗く静かな自分だけの空間なので、考え事をするにはもってこい。
「あの蒸し湯だけのためにまた四万に行きたいな」と思わせるぐらいに気に入りました。

浴場の外には飲泉ももちろんあります。
積善館の飲泉
 

四万の飲泉

四万温泉の浴場では度々、湧出口のところにコップが有るのを見かけました。
飲泉設備が浴場の外にあるのはたまに見掛けることがありますが、湯船に注ぎ込む温泉を飲めるというのは、それだけ湯船に注ぐ温泉が新鮮な証。

温泉街にも飲泉設備が。
四万温泉街に有る飲泉場
4箇所で温泉を飲みましたが、どこも泉質はほとんど一緒。
アルカリ泉で胃腸炎や便秘に効果があるとのことで、味にクセはほとんど無く、口当たりは飲泉にしてはかなり良いです。
せっかくの機会ですので、四万に行った際には飲泉もぜひお楽しみ下さい。
 

唐沢屋旅館

これはほとんど備忘録のような感じですが、当日宿泊した旅館。
料金が安かったので選びましたが、昔懐かしい雰囲気を感じられてとても良かったです。
温泉はもちろん掛け流しで、24時間入浴可能。
唐沢屋旅館の浴場
唐沢屋旅館の浴場
食事も、際立って立派なわけではないですが、素朴な、おふくろの味を感じられました。
唐沢屋旅館の食事
唐沢屋旅館の食事
温泉街のど真ん中にある宿なので、散策にも打って付け。
設備が古いのは勘弁。と言うことでなければ、値段に見合って十分満足出来ると思います。
 

総合評価

トータルで見て、とても良い温泉でした。
東京から少し遠いですが、のんびりするには同じ程の距離にある草津よりも四万が良いなというのが感想。
日帰り入浴施設がバラエティに富んでいたのと、入った温泉全てが源泉かけ流しだったのもとても良かったです。

【泉質】
★★★★★ 5.0/5.0
湧出量が豊富でほとんどの施設が源泉掛け流し
【温泉設備】
★★★★☆ 4.5/5.0
歴史的な旅館、共同浴場の充実、飲泉、珍しい蒸し湯とバラエテ豊富
【温泉街の雰囲気】
★★★☆☆ 3.0/5.0
洗練はされてはいないものの、浴衣でも散策できる雰囲気