「速読術で一日○○冊」に踊らされていましたが、

時折ネットや車内広告で見かける「速読術」の文字。

中には「一日数十冊読めます!」と豪語する謳い文句もあり、「そんなことが出来たらなんと素晴らしいか」と常々思ってはいました。

が、今日久しぶりにビジネス書を読んでみて、なるほど速読術とは所詮そんなものなのか、と納得。

結局のところ速読術は”術”どまりであって、「(各章のタイトル付けが明確に成されている本”だけ”を選んで、”自分が読みたい章だけ”に絞ってぱっぱと読み飛ばせば)一日数十冊読めますよ」というだけの話なんだなと気づきました。

もちろん隅から隅まで内容を理解し記憶した上でそれだけの読書量をこなせる天才も居るんでしょうが、天賦の才にはどうやっても敵いません。

話は変わりますが、そもそも前提として読書の量を冊数で計るのもナンセンス。

600ページの岩波文庫と150ページのビジネス書を同じ”一冊”としてカウントし、それを手柄として積み上げていくのはあまりにも乱暴ではないかと改めて思いました。

自分のできないことは「すごいなぁ。僕には到底できないことをあの人はできるんだ」と尊敬のまなざしで見てしまうもので盲目になっていましたが、冷静に考えてみれば「速読”術”」だなんてアホらしい。

読書中は、遠く広がる森をいかに早く駆け抜けるかなど考えずに、自分のごく周辺の木だけに目を配り一歩一歩進めば良いのです。


(2018/9 Istanbul-Turkey)

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